あれから1週間程たって、大和田センパイから例の新製品のことについて尋ねられた。
「おい、正人。その後どうだった? Yデパートでの新製品の評判は」
「そうですね、皆さん、改めて注文したいと言ってましたけど」
「おかしいな、あれからYデパートからそんな注文はちっとも上がってきてないぞ」
「でも、涼しくなってからのここ数日、急速に売れ始めたっていう話でしたよ」
「何だって! どうしてそれを早くオレに言ってくれなかったんだ!」

大和田センパイは、ボクがYデパートで聞いてきた新製品の店舗情報をいろいろと尋ね上げた後、大急ぎでYデパートの本社へ出かけていった。そして、現場での生情報をもとに新製品の売り込みを再びかけ、ようやく少量ながら注文を取って帰ってきた。
「すいませんでした。店舗側からてっきり注文があるのだとばっかり…」
「それを見越してオレたちがいろいろと動き回るのが、商売っていうものなんだ。お客様だって忙しいんだし、他社商品の売り込みだってあるんだぞ。
黙って待っていても、ビジネスチャンスは生まれてこない。せっかくのオレたちの
風通しのいい会社なんだから、これからはもっといろいろと情報を伝えてくれよ!」
少し仕事をおぼえてきた頃で、つい「慣れ」が出てきた末のボクの大失敗だった。これからはもっと気を引き締めて、仕事に臨むぞ!
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早速、これらの店舗情報をYデパートの本社取引を担当する大和田センパイに伝える |
■ワンポイントアドバイス■
「情報のフィードバックはすばやく、正確に!早め早めの対策が功を奏する決め手になる。後手に回っては大事なビジネスチャンスを失うおそれあり!
次の難題は [5.雑誌広告を生かせ]